健康食材として名高い空芯菜ですが、インターネット上の断片的な情報には注意が必要です。特に認識しておくべきは、「シュウ酸の含有」と「東洋医学的な性質」に関する科学的・医学的ファクトです。
空芯菜には、ほうれん草ほどではないものの一定量のシュウ酸(アクの主成分)が含まれています。シュウ酸はカルシウムと結合すると結石の原因になり得る物質ですが、日常的な炒め調理や下茹でによって大半が無力化されます。ただし、大量の生葉をそのままスムージーにして毎日摂取するような極端な生食習慣は避けるべきです。
また、中国伝統医学や東南アジアの食養生において、空芯菜は体を冷やす「寒性(かんせい)」の食材として位置づけられています。利尿作用や解熱作用に優れ、真夏の熱中症予防には最適である反面、脾胃(胃腸)が冷えやすい体質の人が一度に大量摂取すると、下痢やお腹の張りを引き起こす場合があります。体を温める性質を持つニンニクや生姜、唐辛子と一緒に炒める伝統的な調理法は、この寒性を打ち消すための先人の見事な生活の知恵です。
さらに近年、家庭菜園愛好家の間で注目を集めているのが空芯菜の水耕栽培と育て方です。空芯菜は生命力が極めて強く、スーパーで買ってきた茎の下部(節を2つ以上残したもの)をコップの水に挿しておくだけで、数日で白い根が勢いよく伸びてきます。そのままベランダの水耕栽培容器やプランターに植え替えれば、夏の間中、摘芯しながら何度も新鮮な葉を収穫できる「無限野菜」として楽しめます。水切れに弱いため、常に水を切らさない管理が成功の秘訣です。