ネット動画やドライバー間の口コミには、手軽に見えて実はメッキの寿命を縮めてしまう危険な誤解が溢れています。愛車を守るために絶対に知っておくべき3つの盲点を整理します。
誤解①:「スチールウール(ボンスター)でサビを落とすのが一番早い」
番手の極めて細かいボンスターであっても、金属タワシである以上、硬質なクローム層に無数の微細傷を刻み込みます。施工直後はサビが落ちて綺麗に見えますが、傷口から新たな水分が浸入し、数ヶ月後には施工前の数倍の猛烈な赤サビが発生する結果となります。
誤解②:「カーワックス(固形・半練り)を塗っておけばメッキも保護できる」
一般的な自動車用ワックスには油分や石油系溶剤が含まれており、これが夏場の直射日光やエンジンの熱で酸化・油焼けを起こします。結果としてメッキ表面を黄色くくすませる「黄ばみ油膜」の原因になるため、メッキ専用に開発された非鉱物油系の完全硬化型コーティング剤を使用しなければなりません。
誤解③:「トラックのメッキはすべて鉄(スチール)でできている」
近年のトラックは車両軽量化のため、フロントグリル、コーナーパネル、ドアハンドル、ミラーカバーの多くがABS樹脂やPP樹脂へのプラスチックメッキに置き換わっています。樹脂メッキはスチールメッキに比べてクローム層がさらに薄く、熱や研磨圧に極めて弱いため、金属用コンパウンドの使用は厳禁です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
メンテナンス手法を選ぶ際は、自身の運行環境とパーツの素材特性を冷静に見極める必要があります。
▼「サビトリキング+メッキング」の専用システムを選ぶべき人
・融雪剤散布地域(降雪地帯・高速道路)や沿岸部の塩害地域を頻繁に走行する長距離ドライバー
・新車または高年式のトラックで、純正の樹脂メッキパーツの光沢を10年以上維持したいオーナー
・デコトラ等でカスタムメッキパーツを多数装着しており、絶対に磨き傷を作りたくない方
▼「ブルーマジックや汎用ケミカル」で十分な人
・大型スチールバンパーやホイールなど、大面積の金属パーツを短時間かつ低予算で定期メンテしたい方
・すでに下地腐食が進んでおり、高価な保護よりも日々の運行前洗車で手早く油分と泥汚れを落としたい現場車両