火のないところに煙は立たないというが、近年のウェブ空間では「アクセス稼ぎ」という名の人工的な火種が日常的にばら撒かれている。今回の騒動も、動画プラットフォームやトレンドブログに蔓延する悪質なクリックベイトが起点となった。
著名なベテラン芸能人の名前とショッキングな語句を組み合わせたサムネイル動画を自動生成し、閲覧数を稼ぐ手法が横行している。引退によって本人の発信頻度が減った吉田拓郎は、格好の標的にされてしまった。
検索エンジンがユーザーの不安や関心を検知してサジェストワードを上位に表示し、それを見た別のユーザーがSNSで拡散する。この悪循環が、実体のない幽霊のような噂を一晩で巨大なトレンドへと肥大化させた構図が浮かび上がる。