悪評が先行する一方で、制度上の実態を知る人は意外に多くありません。自動車の登録業務を担うのは、足立区南花畑に位置する東京運輸支局の足立自動車検査登録事務所です。現在、足立ナンバー管轄地域として指定されているのは以下の東京都区部4区となっています。
・足立区
・台東区
・荒川区
・墨田区
かつては江東区、葛飾区、江戸川区(※江戸川区は現在も足立ナンバーを継続)なども含まれる広大なエリアをカバーしていましたが、制度改革によって領域が変化しています。ここで重要なのは、世間が抱く「足立=下町の端」というイメージとは異なり、上野や浅草を擁する台東区、東京スカイツリーがそびえる墨田区など、東京の中枢や観光拠点がそのまま足立ナンバーの管轄に含まれている点です。
もう一つの懸念点である足立ナンバー治安の実態についても、警察当局の公開データが明確な事実を示しています。警視庁が発表している区別の刑法犯認知件数データを時系列で検証すると、足立区は2000年代初頭に年間認知件数が1万件以上を記録し、23区ワーストの常連となっていた時期がありました。
しかし、足立区が2008年から区政の最優先課題として展開した「ビューティフル・ウィンドウズ運動」(割れ窓理論に基づき、美しい街並みと防犯カメラの重点設置を推進する施策)により、犯罪件数は激減。直近の統計ではピーク時の約3分の1にまで減少し、人口1万人あたりの犯罪発生率で見ても新宿区や渋谷区などの都心繁華街を大きく下回っています。街そのものの治安改善が進んだ結果、「足立ナンバーのエリアは治安が悪くて危険」という言説は、もはや過去の遺物となっています。