多くの激辛ファンに愛された蒙古タンメン中本目黒店。突如として惜しまれつつ閉店した決定的な理由とは一体なぜだったのでしょうか。ネット上で囁かれる「売上不振説」や「トラブル説」を検証すると、全く異なる実態が浮かび上がってきます。
公式発表資料および当時の営業記録によると、目黒店が営業を終了したのは2022年4月25日のことでした。2004年のオープン以来、実に約18年間にわたり同地で営業を続けていた直営店です。決定的な引き金となったのは、出店していた商業ビルの賃貸借契約満了でした。建物の設備老朽化や排煙・給排水設備の改修周期が重なり、同フロアでの長期継続には莫大なインフラ投資が必要となるタイミングを迎えていたのです。
さらに、運営会社である株式会社誠フードサービスを率いる白根誠 社長の店舗マネジメント戦略も深く関係しています。当時の中本は、コロナ禍以降の外食トレンド変化に合わせ、過密な地下狭小店舗から、換気効率が高く作業動線の広いロードサイド型やゆとりある都市型空中階店舗へのシフトを進めていました。目黒店は地下1階に位置し、階段伝いに地上まで行列が伸びる構造上、近隣ビルや歩行者への配慮、安全確保の負荷が限界に達していたという現場関係者の証言もあります。
つまり、ファン離れによる撤退ではなく、「18年の定期契約満了」「老朽化設備の更新コスト」「密集緩和のオペレーション再編」という3つの要素が合致した結果の計画的クローズだったといえます。