時計の針を巻き戻すと、2022年2月に発生した「賭けポーカー騒動」は、YouTube界隈のみならず大手一般紙やテレビニュースでも大々的に報じられる社会問題へと発展しました。虎のメンバーを含む複数名が違法賭博に関与していた証拠画像がSNS上に流出し、ネット上は激しい炎上に包まれます。
問題の発覚直後、林氏は逃げ隠れすることなく事実関係を認め、迅速に謝罪動画を公開しました。しかし、教育事業である「武田塾」を全国展開する企業のトップが賭博行為に関与していた社会的道義責任は極めて重く、株式会社A.verの代表取締役社長を即座に辞任する決断を下します。のちに株式の大半を売却し、自ら心血を注いでゼロから育て上げた本丸の経営から完全に身を引くことになりました。
この電撃辞任の背景には、全国のフランチャイズ加盟校のオーナーや、何よりも武田塾に通う生徒・保護者への悪影響を最小限に食い止めたいという危機管理上の強い判断が働いていました。自らが看板であり続けることがブランド最大の毀損リスクになる瞬間を冷徹に見極め、自らの退場を選んだ引き際の速さは、皮肉にも経営者としての非情なまでの合理性を証明する結果となったのです。