猫ひろしのマラソン人生の原点を辿ると、TBS系列の看板番組『オールスター感謝祭』の名物企画「赤坂5丁目ミニマラソン」に行き着く。当初は番組を盛り上げる一幕に過ぎなかったが、心臓破りの坂を驚異的なスピードで駆け上がる姿が周囲の度肝を抜いた。
お笑い界の先輩や共演者たちが笑いから驚嘆へと変化していく中、彼は本格的な陸上トレーニングを開始。テレビのバラエティロケの合間を縫い、月間数百キロを超える猛烈な走り込みを課した。スポーツ界の専門コーチからも「精神力と心肺機能は本物のアスリート」と評されるまでになり、男子マラソンという過酷な競技に人生を賭ける腹をくくったのだった。
お笑い芸人が見せる「本気」は、やがてエンタメの枠組みを超え、アスリートとしての矜持へと昇華していった。『オールスター感謝祭』での走りは、単なるタレントの特技披露ではなく、オリンピアン・猫ひろしが誕生する起点となる重要な一章だったと言える。