「物を買って売るだけなら自由経済の範囲内ではないのか」という主張が転売ヤー側からなされることがありますが、日本の現行法において、多くの転売行為はすでに明確な違法ラインを越えています。どのような行為が法に触れるのか、知っておくべき主要な法律と罰則を整理します。
まず代表的な規制が「チケット不正転売禁止法(特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律)」です。興行主の同意のない有償譲渡が禁止されているチケットを、定価を超える価格で反復継続して転売した場合、「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方」が科されます。音楽ライブやスポーツ観戦だけでなく、舞台や各種イベントチケットも対象であり、すでに多数の逮捕者が出ています。
さらに見落とされがちなのが「古物営業法」による規制です。利益を得る目的で中古品を仕入れて転売する場合、管轄の公安委員会から古物商許可証を取得しなければなりません。「未開封の新品だから古物ではない」と主張する転売ヤーもいますが、法律上、一度でも消費者の手に渡った商品は「新古品」として古物扱いになります。無許可で転売ビジネスを営んだ場合、「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」という非常に重い刑事罰が科されるリスクを負うことになります。
このほかにも、医薬品や酒類、マスク・消毒液などの特定物資の無許可販売、確定申告を行わないことによる「脱税(所得税法違反)」など、転売ビジネスは常に幾重もの法的リスクと隣り合わせです。