近年の気象異変や生産資材の高騰は、農業現場のみならず外食産業全体に大きな影響を与えている。農林水産省が公表する相対取引価格や需給見通しデータを参照すると、主食用米の取引価格は時期によって激しく変動しており、調達コストの管理は企業の存続に直結する最優先課題だ。安定した価格での提供を求められる大手チェーンにとって、特定の地域に依存した調達は大きなリスクを伴う。
こうした市場環境において、巨大な調達量を誇る吉野家は、中長期的な契約栽培とグローバルな調達網を活用することで価格変動のショックを緩和してきた。農家の安定収入を保証する長期契約を結ぶ一方で、気候リスクを分散させる地域分散型調達を徹底。これにより、市場全体が米不足や価格高騰に揺れる局面においても、クオリティを落とさずに全国の店舗へ安定供給を続ける仕組みを確立している。