ここ数年、YouTubeなどの動画メディアやSNSによる拡散は、地方ラーメン店のあり方を劇的に変えた。そにどりの美しく整えられた麺線と黄金色のスープは、数多くのフード系クリエイターのレンズを通して世界中へと発信されている。
動画で調理風景や着丼の瞬間を見た旅行者が、実際に新幹線や車を乗り継いで四日市を訪れる。こうした現象は、単なる一過性のバズを超えて、地方都市におけるフードツーリズムの成功例としても外食産業界から熱い視線を浴びている。
しかし、メディア露出が増えても平田氏のスタンスは揺らがない。席数を無理に増やすことも、安易なチェーン展開に舵を切ることも拒み続ける。自分の目が届く範囲で、自分が納得できる一杯だけを作り続ける。デジタルな情報が氾濫する時代だからこそ、現場の手仕事が放つリアリティが、より一層際立つ結果となっている。