リネン室とは?病院・ホテルの裏側と仕事内容・過酷な実態を徹底解剖

リネン室とは?病院・ホテルの裏側と仕事内容・過酷な実態を徹底解剖

リネン室とは?病院・ホテルの裏側と仕事内容・過酷な実態を徹底解剖の詳細について、専門知識を基に徹底解説します。

求人サイトや掲示板などで「リネン室の業務」と検索すると、「接客なしのマイペース作業」「簡単な軽作業」「シーツを畳むだけ」といった甘い言葉が散見されます。しかし、現場の実態を取材すると、こうしたネット上の言説が大きな誤解であることが浮き彫りになります。

第一の誤解は、「重量物を持たない軽作業」というイメージです。乾燥したシーツ1枚の重量は数百グラムに過ぎません。しかし、それが50枚、100枚と結束された束は数十キロに達します。さらに、汗や水分を含んだ使用済みリネンがぎっしり詰まったランドリーバッグは、1袋で20〜30kg以上の重量になることも珍しくありません。スタッフはそれらを1日に何度も持ち上げ、大型カートに積み込み、施設内のスロープやエレベーターを使って押し歩きます。現場はまさに「肉体労働の極致」です。

第二の盲点は、シーツ交換業務に求められる高度な身体的スキルとスピードです。入院患者のベッドメイキングでは、マットレスの角を綺麗に折り込む「三角コーナー」の精度はもちろん、シワ一つないピンと張った状態を作らなければなりません。わずかなシワが寝たきりの患者に褥瘡(床ずれ)を引き起こす引き金になるためです。患者がベッド上にいる状態で手早くシーツを取り替える技術には、介護や看護の初歩的な身体介護知識が求められます。

そして最も一般に知られていないのが、リネン室の衛生管理における強烈な緊張感です。回収されたリネンの中には、ごく稀に使用済みの注射針、体温計、入れ歯、ハサミなどの危険物や私物が紛れ込んでいます。万が一、汚染された針を誤って指に刺してしまう「針刺し事故」が起きれば、血液媒介感染症に晒されるリスクがあります。現場では手袋や防護具を着用し、神経をとぎすませて仕分けを行っています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。