インターネット上では、法規制を曲解した危険な誤解が拡散されています。ジャーナリズムの視点から、ネット上に蔓延する3つの欺瞞を解剖します。
誤解1:「怪我をしている個体を動物病院に連れて行くための保護なら合法」
最も多く見られる自己正当化が「弱っているうさぎを見過ごせなかったから持ち帰った」という善意の仮面を被った主張です。しかし、鳥獣保護管理法において個人の主観的善意による適用除外規定は存在しません。学問・保護目的であっても都道府県知事等の捕獲許可証がない限り、勝手に捕獲して島外に連れ出した時点で違法性が成立します。野生動物の世界における怪我や病気、天敵による捕食は自然淘汰の営みであり、環境省の大久野島管理方針においても「野生生物としての自然な生死に過度な介入を行わない」ことが原則です。倒れている個体を見つけた場合は、触らずに休暇村大久野島のフロントやビジターセンターへ報告するのが唯一の正しい行動です。
誤解2:「大久野島は無人島だからルールも形骸化している」
大久野島は「地図から消された島」という毒ガス工場の歴史的背景から無人島と誤解されがちですが、実際には宿泊施設「休暇村大久野島」が営業しており、管理スタッフや環境省の管轄官が常駐・巡回しています。島全域が行政と事業者の厳重な管理下にあり、治外法権の空間は1ミリたりとも存在しません。
誤解3:「観光客が減ったから餌を大量にばら撒いて助けなければならない」
「うさぎが飢えている」という短絡的な悲壮感から、キャベツを一玉丸ごと放置したり、食パンやスナック菓子を撒き散らす行為も致命的な誤謬です。キャベツなど水分の多い野菜の過剰摂取はうさぎの消化器官で異常発酵を起こし、鼓脹症や下痢を引き起こして死に至らしめます。また、地面に放置された餌の腐敗は環境を汚染し、カラスやネズミ、イノシシといった害獣を呼び寄せてうさぎの巣穴を襲撃させる引き金となっています。