精神医学で広く使われる診断基準(DSM-5-TR)において、躁うつ病の診断基準は期間と症状の強度で明確に規定されています。躁状態は「高揚した、開放的な、または易怒的な気分が少なくとも1週間以上続くこと」、軽躁状態は「同様の症状が4日以上続くこと」がひとつの基準です。
双極性障害の原因と経緯については、単一のストレスだけでなく、複数の生体要因が絡み合っていることが分かっています。脳内の神経伝達物質(ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなど)の機能異常や、神経細胞のカルシウムシグナル伝達の変調、概日リズム(体内時計)の乱れなどが深く関与しているとされています。
遺伝的な素因に過労や環境変化、重大なライフイベント(就職、昇進、結婚、身内の不幸など)といった外的な誘因が加わることで発症の引き金が引かれます。本人の意志の弱さや性格の問題ではなく、脳の生物学的な機能不全であることが確立された医学的見解です。