最初から「作り置きして冷凍保存すること」を想定して調理する場合、通常のレシピとは異なる明確なアプローチが求められます。冷凍してもパサパサにならず、解凍後もなめらかな舌触りを維持するための黄金ルールが存在します。
最大の鉄則は、じゃがいもを跡形もなく徹底的にマッシュすることです。ゴロゴロとした男爵いもの食感は作りたてこそ魅力ですが、塊のまま冷凍するとスカスカのスポンジ化が避けられません。マッシャーやフォークを使い、完全にペースト状になるまで潰すことで、でんぷんの網目構造が破壊されるのを防ぎます。品種選びにおいても、でんぷん質が多くホクホクする男爵いもより、粘度が高くしっとり仕上がるメークインを選ぶのが冷凍向きです。
次に重要なのが保水性の強化です。じゃがいもが熱いうちに、少量の砂糖や練乳、またはプレーンヨーグルトを隠し味として練り込みます。糖分と乳脂肪分は水分子と強く結びつく性質(親水性)があるため、冷凍中および解凍時の離水を強力に抑制してくれます。
また、具材の選別も仕上がりを左右します。生のきゅうりや半熟卵は絶対に冷凍してはいけません。きゅうりは解凍後にゴムのような硬さになり、水分を大量に吐き出します。ゆで卵の白身も水分が抜けてゴム状の不快な食感に変化します。冷凍用ポテトサラダの具材には、水分の少ない炒めた玉ねぎ、加熱した人参、細かく刻んだハムやベーコン、コーンなどに限定するのがプロの仕込み基準です。