Q1:ウィリス動脈輪の「低形成」や「欠損」を指摘されました。将来必ず脳梗塞になりますか?
A1:いいえ、直ちに脳梗塞を発症するわけではありません。健常な成人の過半数が何らかの破格(低形成など)を持って一生を終えます。低形成があっても、平常時は他の主幹動脈から十分な血流が脳全域に供給されています。ただし、将来的に太い血管に動脈硬化による狭窄が生じた際、迂回路としての代償能力が教科書通りの完全型に比べて劣る可能性があるため、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの動脈硬化危険因子を通常の人以上に厳格に管理することが推奨されます。
Q2:脳ドックのMRA検査でウィリス動脈輪を見る場合、造影剤の注射は必要ですか?
A2:一般的な脳ドックやスクリーニング検査では、造影剤を使用しない「3D-TOF MRA」が主流です。身体への針刺し侵襲がなく、約15〜20分横になっているだけで主要な血管構造を鮮明に三次元画像化できます。ただし、以前にクリッピング手術やステント治療を受けた後の詳細な評価や、極めて細い血管の精密な血流動態を評価する場合には、造影CTアンギオグラフィー(CTA)やカテーテルを用いた脳血管造影(DSA)が追加検討されます。
Q3:もやもや病は遺伝する病気ですか?親が持っていると子どもにも必ず発症しますか?
A3:もやもや病には家族性発症(約10〜15%)が認められ、感受性遺伝子として「RNF213」が同定されていますが、この遺伝子変異を持っている人全員が発症するわけではありません(浸透率は2〜3%程度とされています)。親が遺伝子変異を持っていても、子どもが発症しないケースが大多数です。もし家族にもやもや病の方がいて、お子さんに「過呼吸時の一過性の脱力発作」や「繰り返す原因不明の激しい頭痛」が見られる場合は、念のため小児神経科や脳神経外科でMRI/MRA検査を受けることが推奨されます。