深夜食堂の主題歌「思ひで」の秘密|鈴木常吉の軌跡と歴代楽曲総まとめ

深夜食堂の主題歌「思ひで」の秘密|鈴木常吉の軌跡と歴代楽曲総まとめ

深夜食堂の主題歌「思ひで」の秘密|鈴木常吉の軌跡と歴代楽曲総まとめの重要ポイントをお届けします。専門的な知識が満載です。

ドラマ『深夜食堂』の代名詞とも言えるオープニング主題歌「思ひで」。夜の新宿の雑踏やネオン街を俯瞰するカメラワークとともに流れるこの曲は、聴く者を一瞬にして作品のノスタルジックな空気感へと引き込みます。

この楽曲のメロディは、鈴木常吉氏の完全なオリジナルではなく、アイルランドの伝統民謡「The Pretty Girl Milking Her Cow(乳搾りの可愛い娘 / アイルランド語:Cailín Deas Crúite na mBó)」が原曲です。古くからケルト文化圏で歌い継がれてきた哀愁を帯びた旋律に、鈴木氏自身が日本語の歌詞を書き下ろしました。

関係者の回顧や当時の制作エピソードによると、松岡錠司監督がドラマ化の準備を進めていた際、知人から手渡された鈴木常吉氏のアルバム『ぜいご』(2006年リリース)に収録されていた「思ひで」を偶然耳にし、「これぞ深夜食堂のオープニングに相応しい」と直感して即座に起用を決定したとされています。

歌詞に綴られている「君が吐いた白い息が 今ゆっくり風に乗って 空に消えてゆく」という一節は、若くしてこの世を去った鈴木氏の親しい友人への追悼の想いが込められていると語られています。都会の夜の冷たい空気と、人の体温の儚さを想起させる情景描写が、傷を抱えて「めしや」の暖簾をくぐる客たちの人間模様に見事に重なり合っています。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。