スーパーセルが接近している際、空は明らかに日常とは異なる異様なサインを発します。五感を研ぎ澄まし、以下の兆候を確認した場合は猶予がほとんど残されていないと判断すべきです。
最も視覚的に分かりやすい前兆が、雲の底に現れる特徴的な形状です。進行方向の前方には、空を帯状に覆い尽くす巨大な「棚雲(シェルフクラウド)」や「アーチ雲」が棚引き、地平線が見えなくなるほどの威圧感を与えます。さらに、雲底の一部が不気味に垂れ下がる「壁雲(ウォールクラウド)」や、そこから細長く伸びる「漏斗雲」が視認できた場合、すでに地上付近で竜巻が発生しているか、その直前段階にあります。
視覚以外の体感サインも見逃せません。直前まで蒸し暑かった空気が、わずか数分で氷を吹き付けられたような冷たく強い突風(ガストフロント)へと急変します。これは上空で冷やされた下降気流が地表に到達した証拠です。また、分厚い雲によって太陽光の波長が乱され、空全体が緑がかった不気味な暗闇(グリーンスカイ)に包まれる現象も、内部に大量の雹を含んだスーパーセル特有の予兆として知られています。
気象庁の発表する防災情報では、「大気の状態が極めて不安定」「竜巻注意情報」「発達した積乱雲が近づいている」といったキーワードが出された際、天気図上で日本海側から寒冷前線が南下している場面や、南からの暖湿気と上空の強い寒気が衝突しているパターンには最大限の警戒が必要です。