『タンタンタンゴはパパふたり』禁書騒動の真相と感動実話の現在

『タンタンタンゴはパパふたり』禁書騒動の真相と感動実話の現在

話題沸騰中の 『タンタンタンゴはパパふたり』禁書騒動の真相と感動実話の現在について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。

絵本のベースとなったのは、フィクションではなくニューヨークのセントラル・パーク動物園で実際に起きた出来事です。1998年、同園のペンギン舎で飼育されていたヒゲペンギンのオス「ロイ(Roy)」と「シロ(Silo)」は、繁殖期になると互いに寄り添い、求愛の鳴き声を交わし合ってペアを形成しました。

2羽は他の男女ペアと同様に小石を積み上げて立派な巣を作り、そこへ石ころを卵に見立てて抱き、交代で懸命に温め始めたのです。どれほど温めても石からヒナが孵ることはありません。その痛々しいほど献身的な姿を長年観察していたベテラン飼育員のロブ・グラメイ(Rob Gramzay)氏は、ある決断を下します。

当時、園内の別の男女ペアが2個の卵を産み落としたものの、自力では2個同時に温めきれず孵化を諦めかけていた受精卵がありました。グラメイ氏はこの卵をそっとロイとシロの巣石とすり替え、2羽に託したのです。ロイとシロは一切疑うことなく卵を抱き続け、体温を保ち、外敵から守り続けました。

そして2000年、殻を破って元気なメスのヒナが誕生しました。2羽のオスペンギンによって命を授けられたこのヒナは、「タンゴを踊るには2人必要(It takes two to tango=協力が必要)」という英語の格言にちなんで「タンゴ(Tango)」と名付けられました。ロイとシロはヒナに餌を吐き戻して与え、体を温め、立派な若鳥になるまで愛情深く育て上げたのです。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。