高校女子バレー界の双璧として君臨し続ける下北沢成徳高等学校女子バレー部と就実高等学校女子バレーボール部。この2校のアプローチの違いは、現代の女子バレーボールが持つ多様性と奥深さを如実に映し出している。
伝統的に徹底したウエイトトレーニングと圧倒的なオープントス打ち分けで知られる下北沢成徳高等学校女子バレー部は、王道のパワーバレーをさらに洗練させた。重いトスを力強く打ち抜くだけでなく、相手ブロックをあえて吸い込ませる高度なリバウンド技術と、そこからの再攻撃への移行スピードは圧巻のひと言。どれほど警戒されても力でねじ伏せるその姿には、積み重ねてきた肉体強化への絶対的な自負が宿る。
対する就実高等学校女子バレーボール部は、鉄壁のフロアディフェンスとミスの極めて少ないコンビネーションで相手を翻弄する。ボールが床に落ちない。どれほど強烈なスパイクを浴びても、セッターの定位置へ吸い込まれるようにレシーブが戻る。守備から攻撃への切り替えの速さは世界水準を意識したものであり、コートの横幅をフルに使ったワイド展開は観る者の息をのむ。両校が繰り広げる哲学の衝突こそが、高校バレーの競技レベルを底上げする最大のエンジンだ。