十中八九の中高生が、書き出しに「コンビニでお菓子を買ったときの10%」を持ち出す。審査員は最初の3行を読んだ瞬間、「またこれか」と原稿用紙を脇に置く。消費税は最も身近だが、最も手垢にまみれた素材だ。もし本気で入賞を狙うなら、その手前にある「見えない税金」に目を向けなければならない。
通学路のアスファルトにできた窪みが、ある朝きれいに埋められていた瞬間。夜遅くに響く救急車のサイレン。当たり前のように水道の蛇口から出てくる飲める水。それらはすべて、誰かが払った税金が形を変えたものだ。自分が「払った額」の少なさを嘆くのではなく、すでに「どれだけ社会から受け取っているか」に視点を反転させた瞬間、原稿用紙のマス目は一気に足りなくなる。