SNSや料理コミュニティ上で頻繁に寄せられる悩みが、「加圧を終えてフタを開けたらじゃがいもや玉ねぎが完全に消滅していた」という具材の溶解トラブルです。
現場の調理検証とユーザーからの実体験データを精査すると、具材が溶けてしまう主原因は「熱破壊耐性の異なる食材をすべて同一時間で高圧加熱していること」に集約されます。
玉ねぎは繊維が溶けてスープに甘みとして溶け込むため長時間加圧でも問題ありませんが、じゃがいもに含まれるペクチンは100℃以上の加圧下ではわずか5分前後で構造が分解されます。牛すじや角切り豚肉を柔らかくするために20分以上の加圧をかけた場合、通常サイズのじゃがいもは形を保つことができず、完全にドロドロに溶け崩れてしまいます。
形を残した美しい具材感をキープするための実践的アプローチは以下の2通りです。
アプローチ1(大ぶりカット法):じゃがいもは小ぶりのものを丸ごと、または半分に切るだけの巨大サイズにし、しっかりと面取りをしてから投入する。
アプローチ2(後入れ simmer 法):肉類と玉ねぎだけで規定時間加圧し、ピンが下がってフタを開けた後に一口大のじゃがいも・人参を投入。フタをせずにルーと一緒に10〜15分ほど弱火で煮込んで火を通す。
ティファールなどの一般的なコンロ用高圧鍋(約80〜100kPa)を使用する場合は特に熱伝導が急激なため、後入れ simmer 法を採用することで、専門店のような「肉はトロトロ、野菜はホクホク」の完璧なコントラストを両立できます。