閉館の一報が流れた際、アクアリウム愛好家や一般のファンの間で最も懸念されたのが「展示されていた約900種、5万匹にのぼる魚たちの命の行方」でした。ネット上では「行き場を失った魚たちが殺処分されてしまうのではないか」という不穏な憶測が飛び交い、一時騒然となる場面も見られました。
この疑惑に対し、現場の飼育スタッフや運営サイドは極めて真摯な対応を貫きました。公式発表および現地での取材記録によれば、殺処分などは一切行われず、徹底した「生体販売と譲渡」による引き取り先の確保が進められたのです。
もともと観賞魚専門の水族館であったため、同館には魚ごとに販売価格が明記されており、気に入った魚を購入できるショップとしての側面も持ち合わせていました。閉館が決まってからは、珍しい大型古代魚(ピラルクやアリゲーターガー、アロワナなど)から、色鮮やかな小型熱帯魚、アフリカ・南米産の珍しいナマズ類まで、一般の熱帯魚ファンやコレクターに向けた特別生体販売が実施されました。
また、個人では飼育が困難な大型個体や学術的価値の高い希少種については、全国各地の公立・私立水族館、動物園、大学の研究室、さらには信頼のおける専門アクアリウム卸業者へと打診が行われ、トラックによる慎重な輸送作戦が展開されました。閉館の瞬間までスタッフたちが水温・水質の管理を怠らず、1匹でも多くの命を次の場所へ繋ごうと奔走した姿は、当時の水族館巡回ファンブログやSNSでも感動をもって記録されています。