夏ドラマの醍醐味である「結末の行方」において、ネット上の議論が沸騰したのが『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』と『真夏のシンデレラ』でした。
松岡茉優主演の『最高の教師』では、卒業式の日に何者かに突き落とされた教師・九嶺里奈が1年前にタイムリープし、芦田愛菜演じる鵜久森叶をはじめとする生徒たちと命懸けで向き合うサスペンスが展開されました。緊迫した展開の果てに迎えた最高の教師のネタバレを含む結末は、衝撃的な真実を提示しました。里奈を突き落とそうとした人物の正体は、過激な悪意を持つ主犯格ではなく、自身の承認欲求と弱さから取り返しのつかない過ちを犯してしまった生徒・星崎透(奥平大兼)でした。
SNS上では星崎の「退屈だったから」という動機について、「現代の若者が抱える虚無感をリアルに捉えている」という称賛の一方で、「もっと明確な因果関係を求めていた」という戸惑いの声も飛び交いました。この賛否両論こそが、本作が単なる勧善懲悪を超えた人間心理の深淵を描き切った証拠といえます。
一方、フジテレビ月9枠の『真夏のシンデレラ』は、昭和・平成の王道トレンディドラマを令和の湘南・江の島を舞台に再生させようと試みた意欲作でした。森七菜と間宮祥太朗をダブル主演に据えた群像劇は、世帯視聴率こそ歴代ワースト水準に沈んだものの、TVerでは記録的な視聴数を獲得しました。
しかし、迎えた真夏のシンデレラの結末は、あまりに突飛な事件の連発や主要キャラクターの急速な結末回収が目立ち、「展開が詰め込みすぎ」「リアリティが崩壊している」といった2023年夏ドラマ最終回のネットの反応が相次ぎました。それでも、「ツッコミを入れながら実況を楽しむコンテンツ」としてX(旧Twitter)のトレンド世界1位を獲得するなど、デジタル世代における新たなドラマの消費スタイルを確立しました。