SNSや口コミサイトで散見されるのが、「6トーンのグレージュに染めたら、ただの海苔のような黒髪になってしまった」という失敗談です。ここには、カラーリングにおける重大な技術的盲点が存在します。
原因の筆頭は、「施術前のベース明度(アンダートーン)の計算不足」です。元々10〜12トーン程度まで明るくなっていた髪に、濃いグレーやアッシュの色素を被せることで初めて「光に透ける暗髪」が誕生します。しかし、地毛の黒髪(4〜5トーン)に直接6トーンのアッシュを乗せても、日本人の髪が持つ強固な赤褐色メラニンに負けてしまい、濁った暗黒色に沈んでしまうのです。
現在地毛に近い暗い髪から田中みな実風の透明感を目指す場合は、一度髪を痛めない程度のライトナー等で9〜10トーンまでリフトアップ(脱色)し、その上から6トーンの濃厚な色素を重ねる「ブリーチなしダブルカラー」をオーダーするのが確実です。このひと手間を挟むことで、室内での深みと陽光下での透け感が劇的に変化します。