バラエティでの活躍の一方で、彼女は演技の世界でも強烈な爪痕を残した。その金字塔と言えるのが、2004年に公開された映画『誰も知らない』だ。是枝裕和監督が描いたこの感動作で、彼女は子供たちを置き去りにして去っていく母親役を演じ、国内外から高い評価を獲得した。
是枝裕和監督は、彼女の「演じようとしない自然体の凄み」を絶賛。計算された演技を超えた、スクリーンに存在するだけで立ち上る生活感と業(ごう)の深さは、観客の心に深く刺さった。カンヌ国際映画祭でも大きな話題を呼んだこの作品によって、彼女は本格派の表現者としての確固たる地位を築くこととなった。