双子葉類が土の中で水分を吸収してから本葉を展開するまでの発芽プロセスには、驚くべき生命維持システムが備わっています。
種子は発芽に必要な養分を蓄える場所の違いによって、主に2つのタイプに分かれます。
- 無胚乳種子(むはいにゅうしゅし):
胚乳が退化し、子葉そのものにデンプンやタンパク質、脂質などの養分を大量に蓄えているタイプ。インゲンマメ、エンドウ、アブラナ、ヒマワリなどが該当します。発芽の際、ふっくらと膨らんだ子葉が土を持ち上げて地上に現れ、自らの栄養を使い果たしながら緑化して初期の光合成を開始します。
- 有胚乳種子(ゆうはいにゅうしゅし):
胚とは別に「胚乳」という専用の栄養貯蔵庫を持つタイプ。単子葉類(イネやトウモロコシ)に多い構造ですが、双子葉類の中にもカキやオシロイバナ、トウゴマなどの一部が存在します。
双子葉類が発芽する際は、まず胚軸(はいじく)がフック状に曲がりながら土の抵抗を逃がし、デリケートな成長点を保護しながら地上部へと顔を出します。地上に出て日光を浴びると同時に2枚の子葉が左右に開き、その中心から本葉(ほんば)が伸びて本格的な独立栄養生活へとシフトしていくのです。