長期間にわたり愛された国民的コンテンツであるがゆえに、ネット掲示板やSNSでは事実と異なる情報が真実のように語り継がれてきました。ここでは、取材によって判明した「よくある3つの誤解」を検証します。
誤解1:「何が出るかな」というタイトルのシングル曲が発売されていた?
「昔、あのフレーズのCDを買った記憶がある」と語るユーザーが散見されますが、これは明確な事実誤認です。リリースされていたのは東京パノラママンボボーイズのインストゥルメンタル楽曲であり、「何が出るかな」という歌声が入った公式音源は過去に一度もシングルカットされていません。視聴者の頭の中で、テレビから流れる小堺の声とBGMが一体化し、あたかも完成された1曲のポップスとして記憶が再構築されたと考えられます。
誤解2:NHKの工作番組『できるかな』のパロディだった?
フレーズの語感が似ていることから、NHK教育テレビ(現・Eテレ)で放送されていたノッポさんとゴン太くんの『できるかな』(「でっきるかな、でっきるかな、はてはてふふーん」)の替え歌だと信じている人がいます。しかし、当時の構成作家や番組関係者の証言によると、リズムのベースはあくまでマンボのビートであり、言葉のチョイスも「サイコロから何の話の目が出るか」を端的に表した直球の日本語に過ぎず、両者に直接のパロディ関係はありません。
誤解3:サイコロの目はすべてゲストの台本通りに細工されていた?
「バラエティ番組特有のやらせで、サイコロの重心に重りが仕込まれており、話させたいテーマが狙い撃ちされていたのではないか」という疑惑も長年囁かれてきました。しかし、美術スタッフや出演者の手記によると、サイコロは完全な均等バランスで作られた真四角の発泡ウレタンでした。小堺自身も「同じ目が連続で出てトークテーマに困り、ゲストと一緒に冷や汗をかいたことこそが番組の醍醐味だった」と後年のインタビューで述懐しており、あの予測不能な空気感はガチンコの偶然によって生み出されていたことが証明されています。