アニオンギャップ計算と基準値|代謝性アシドーシス鑑別の公式と補正法

アニオンギャップ計算と基準値|代謝性アシドーシス鑑別の公式と補正法

アニオンギャップ計算と基準値|代謝性アシドーシス鑑別の公式と補正法の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

Q1:カリウムを含める計算式「(Na + K) - (Cl + HCO3)」と含めない計算式の違いは何ですか?
A1:カリウムを含める場合の基準値は一般に「16 ± 2 mEq/L(14〜18 mEq/L)」と高めに設定されます。ただし、日常診療ではカリウム濃度の変動幅がナトリウム等に比べて小さく、診断上の差異がほとんど生じないため、国内外の主要なガイドラインおよび救急・集中治療領域ではカリウムを除外した「Na - (Cl + HCO3)」の公式がグローバルスタンダードとして広く採用されています。

Q2:乳酸アシドーシスにおいてアニオンギャップが開大しない例外はありますか?
A2:基本的には乳酸イオンという未測定陰イオンの蓄積によりAGは開大します。しかし、高度な低アルブミン血症(Alb 1.5 g/dLなど)が基礎にある場合、アルブミン補正を行わない素のAG計算値は「11〜13 mEq/L」といった正常範囲に見えることがあります。見かけ上AG正常であっても、血中乳酸値が2.0 mmol/L以上であれば病態生理学的に乳酸アシドーシスと診断されます。

Q3:アニオンギャップが極端に低い(マイナスや5 mEq/L未満)時は何を疑うべきですか?
A3:最も多い原因は重度の「低アルブミン血症」です。次いで、多発性骨髄腫によるカチオン性パラプロテイン(異常免疫グロブリン)の増加、リチウム中毒、重篤な高カルシウム血症・高マグネシウム血症、あるいは臭素(ブロム)中毒による検査機器のクロール過剰認識(偽性高クロール血症)などの特殊な病態が鑑別に挙がります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。