深層混合処理工法は、固化材の注入状態と機械の撹拌機構によって大きく2つの系統に大別されます。現場の土質、地下水位、周辺環境によって選択が分かれるため、それぞれの特性を理解しておくことが重要です。
1つ目は、現在の大半の住宅・建築現場で主流となっているスラリー攪拌工法(湿式)です。粉末のセメント系固化材にあらかじめ水を混合して液状(スラリー)にし、ポンプで圧送しながら先端の撹拌翼から吐出・混合します。粉塵の飛散が極めて少なく、都市部の密集地でも近隣トラブルを起こしにくい点が強みです。株式会社エステックの「エスミコラム工法」やアラタ工業株式会社の「ECM工法」など、各社が開発する高精度な大臣認定工法もこのスラリー系をベースに進化を遂げています。
2つ目は、固化材を粉末のまま圧縮空気で地中に送り込み、土中の水分を利用して練り混ぜる粉体噴射攪拌工法(乾式)です。水を使用しないため大型のミキシングプラントを必要とせず、含水比が非常に高い粘性土やヘドロ層において泥濘化を防ぎながら改良できる利点があります。ただし、施工時に粉塵が発生しやすいため、風の強い日や住宅密集地での採用には厳重な飛散防止対策が求められます。