救急外来やSNSのコミュニティ、医療相談掲示板では、マイコプラズマ肺炎に直面した家族の生々しい叫びが日々投稿されています。
「小児科でジスロマックを出されて3日飲み切ったのに、夜になると40度の熱が出て咳で嘔吐してしまう」「夜通し咳き込んで眠れず、胸やあばら骨が痛いと泣き叫ぶ子どもを見ているのが辛い」といった声は、耐性菌が猛威を振るう典型例です。また、親自身が「ただの夏風邪や季節の変わり目の咳喘息だと思っていたら、自分も39度の熱が出て動けなくなり、レントゲンを撮ったら肺が真っ白だった」という手記も少なくありません。
呼吸器内科の専門医が指摘する臨床現場のリアルとして、「解熱したにもかかわらず、咳だけが激しく残り続ける」という現象があります。マイコプラズマは気道上皮細胞に強く定着し、気管支の粘膜を破壊します。そのため、適切な抗菌薬によって菌そのものが死滅した後でも、破壊された気道粘膜が修復されるまでには時間を要します。その結果、気道の過敏状態が続き、3〜4週間にわたって頑固な咳が続くという過酷な経過をたどるのです。
こうした咳が止まらない時の対処法としては、単に市販の鎮咳薬を漫然と飲むのではなく、医師の指導のもとで気管支拡張薬(貼り薬や吸入薬)を併用したり、気道の炎症を抑える吸入ステロイドや漢方薬(麦門冬湯など)を組み合わせるアプローチが現場で取られます。また、小児の場合は就寝時の加湿や上体を少し高くして眠る姿勢の工夫、水分をこまめに補給して痰の切れを良くする環境調整が、体力の消耗を防ぐ重要なポイントとなります。