開会式でマイクを握った山口祥義(佐賀県知事)の言葉には熱がこもっていた。「現場の汗が正当に評価され、稼げる農業を作らなければ未来はない」。知事自らブースを精力的に回り、農家一人ひとりと硬い握手を交わす姿は、この地域が持つ現場第一主義の空気感をそのまま映し出している。
舞台裏で奔走する佐賀県農業まつり実行委員会のスタッフたちも表情は真剣そのものだ。単なる一過性の地域物産フェスティバル(収穫祭イベント)で終わらせるつもりはない。生産者と消費者が直接顔を合わせ、信頼を結び直す場を死守する――その覚悟が、円滑な運営の隅々にまで行き届いていた。