女優としてのピークを迎えた1990年代、中山美穂は日本映画界に語り継がれる金字塔を打ち立てる。岩井俊二監督が手掛けた映画『Love Letter』(1995年)において、彼女は一人二役という難役を鮮やかに演じきり、アジア全域で社会現象を巻き起こした。「お元気ですか?」と雪原に向かって叫ぶ名シーンは、映画史に残る傑作として今なお語り継がれている。
その後、作家・ミュージシャンの辻仁成と結婚し、一時活動の拠点をパリへと移すなど、人生の選択においても常に自身の意志を貫き通した。私生活での様々な経験や表現者との出逢いは、彼女の芝居にさらなる奥行きと気品をもたらしていく。