壁内の人類を長年恐怖の底に突き落としていた巨人の大半は、知性を持たない無垢の巨人(通常種)です。エルディア人が脊髄液を体内(経口摂取や注射)に注入されることで強制的に巨人化させられた姿であり、人間の意識は完全に消失し、ただ「近くにいる人間を捕食する」という本能のみで行動します。
人を喰らう根源的な理由は、九つの巨人の継承者を捕食し、再び人間の姿と知性を取り戻すための無意識の渇望にあります。弱点は首の後ろの肉(うなじ)であり、縦1メートル・幅10センチメートルを削ぎ落とされると「道」との接続が断たれ、肉体は灰となって霧散します。
一方、無垢の巨人のなかでも特異な行動パターンを示す個体が奇行種です。目の前の人間に目もくれず大勢の人間が集まる集落へ猛ダッシュしたり、予測不能な跳躍や匍匐前進で奇襲を仕掛けたりする厄介な存在として調査兵団を苦しめました。奇行種が生まれる明確なメカニズムは完全には解明されていませんが、巨人化前の強い執着や感情の残滓、あるいは注入された脊髄液の濃度や投与方法の差異が行動異常を引き起こしていると考えられています。