現時点で想定される株価シナリオは、大きく3つの展開に集約される。第一は、クシュタール側がさらなる価格引き上げを行い、TOB(株式公開買付)が成立する「完全買収シナリオ」だ。この場合、提示価格にサヤ寄せする形で株価は歴史的高値圏へと急伸する可能性が高い。
第二は、創業家連合による「MBO成立シナリオ」だ。非公開化に必要なプレミアムが上乗せされるため短期的には株価の上昇要因となるが、資金調達の条件や出資比率の合意形成が難航すればプレミアム幅が抑制されるリスクも孕む。そして第三が、いずれの買収も不成立となり現経営陣による自力再建が進む「独立維持シナリオ」だ。短期的には買収プレミアムの剥落で下落圧力がかかるものの、構造改革が計画通りに進捗すれば、中長期的に強固な実力ベースの株価形成へと回帰していく公算が大きい。