Q1:大腿筋膜張筋が硬くなると、なぜ反り腰や腰痛につながるのですか?
A1:大腿筋膜張筋は上前腸骨棘(骨盤の前側)から始まっているため、硬く短縮すると骨盤を前下方へ強く引っ張り、骨盤前傾を引き起こします。骨盤が前傾するとバランスを取るために腰椎の前弯(腰の反り)が強制的に強くなり、腰背部の筋肉が過緊張を起こして反り腰特有の慢性腰痛が発生します。
Q2:ランナー膝を発症した際、走るのを完全にやめる「完全休養」が必要ですか?
A2:炎症が激しく歩行時にも痛む急性期(発症から数日)はアイシングと休養が必要です。しかし、痛みが引いた後は完全休養を長引かせるよりも、大腿筋膜張筋のリリースと中殿筋の筋力強化を行いながら、痛みの出ないペース・距離(負荷の7割程度)で走るアクティブレストを取り入れた方が、組織の柔軟性と機能回復が早まることが近年のスポーツ医学で分かっています。
Q3:ヒップアブダクション(脚を外に開く筋トレ)をすると、お尻ではなく前もも外側が疲れるのはなぜですか?
A3:股関節が「屈曲+内旋」位で開いてしまっているため、中殿筋ではなく大腿筋膜張筋が主動筋として働いてしまっている証拠です。脚を真横よりわずかに後方へ引き、つま先を正面またはやや外側(外旋)に向けた状態をキープして行うと、大腿筋膜張筋の関与を抑えて中殿筋を的確にターゲットできます。
Q4:立ち仕事で太ももの外側ばかりがパンパンに張るのは、大腿筋膜張筋の作用と関係がありますか?
A4:深く関係しています。立っているときに片足に体重を乗せる「休めのポーズ」を取る癖があると、支持脚側の大腿筋膜張筋と腸脛靭帯に全体重の張力がかかり続けます。お腹(腹横筋)とお尻(大殿筋)のインナーマッスルが抜けている状態を、太もも外側の筋膜テンションだけで支えているため、慢性的な筋疲労と肥大・張りが発生します。