戸田恵梨香が演じた中島海が、なぜここまで語り継がれる存在となったのか。その核心にあるのが、ドラマファンなら誰もが息をのんだ「記憶喪失」と「クッキー事件」です。
物語の終盤、道明寺司(松本潤)はアクシデントによって頭部を強打し、重度の記憶喪失に陥ります。家族やF4メンバーの顔と名前は思い出せるものの、あろうことか最愛の恋人である牧野つくし(井上真央)の存在だけを完全に忘れてしまうという残酷な展開に見舞われました。
失意のつくしが病室を訪れる中、同じ病院に入院しており、快活で愛嬌のある少女として道明寺に急接近したのが中島海でした。海は道明寺の心の隙間へと巧みに入り込み、記憶を取り戻そうと苦悩する彼を都合よく誘導していきます。
そして視聴者の怒りを頂点に達させたのが、第10話のクライマックスで描かれた「クッキー事件」です。
つくしは、道明寺の記憶を呼び覚ますため、かつて2人の絆の象徴となった「道明寺の顔を模した手作りクッキー」を夜通し懸命に焼き上げ、病室に届けようとしました。しかし、海はそのクッキーを預かり、自室でこっそり味見した上で、あろうことか目を覚ました道明寺に対し、「司のために私が焼いたの」と満面の笑みで嘘をついて差し出したのです。
そのクッキーを食べた道明寺は「うまい」と口にし、海を特別な存在として認識してしまいます。人の真心と努力を悪びれもなく横取りし、当事者の純粋な想いを踏みにじるこの背信行為は、リアルタイムで放送を見守っていた全国数千万人の視聴者に凄まじい精神的衝撃を与えました。