グループ分裂が報じられた直後、インターネット上では様々な憶測が飛び交いました。その最たるものが「平野紫耀と永瀬廉の不仲説」や「事務所幹部による冷遇・確執」というシナリオです。しかし、当時の一次情報や当事者たちの言動を精査すると、そうした短絡的なゴシップとは異なる真相が浮かび上がってきます。
まず、メンバー間の不仲説についてです。分裂発表直後の2022年11月10日、永瀬廉は自身の冠ラジオ番組『King & Prince 永瀬廉のRadioGARDEN』で、涙声になりながら約20分間にわたり心情を吐露しました。「3人が辞めたいと思っていることを知った時、ショックだったし引き止めた。でも、3人の決断を否定することはできなかった」「嫌いになって別れるわけじゃない」と語っています。
さらに、2023年5月20日に放送されたNHK『Venue101』での5人体制ラストパフォーマンスにおいて、名曲『Beautiful Flower』を歌唱した際、平野紫耀は冒頭から大粒の涙を流して歌えなくなり、髙橋海人や神宮寺勇太が優しく肩を叩く姿が全国に生中継されました。もし感情の亀裂による不仲が原因であれば、あのような偽りのない涙や抱擁が生まれるはずはありません。
一方、事務所との確執については、構造的な問題が色濃く影響していました。当時の週刊誌各社や音楽関係者の取材によると、平野紫耀らが海外展開の具体的なロードマップを求めて当時の事務所経営陣へ面談を申し入れたものの、多忙や方針の違いから話し合いの機会が十分に持てなかったと報じられています。事務所側としては、SMAPや嵐が築き上げた「お茶の間に愛される国民的アイドル」としての役割を最優先に求めており、海外へ活動拠点を移すリスクを容認できなかったという見解が妥当です。憎しみ合いではなく、エンターテインメントに対するビジョンと優先順位の致命的なズレこそが、決別の本質でした。