世界的な大ヒットゲーム『龍が如く』シリーズにおいて、歌舞伎町をモデルにした「神室町」は、義理と人情、そして派手な暴力が渦巻く極道の舞台として描かれた。プレイヤーを魅了するその世界観は、かつての平成初期における過激な街の空気感を色濃く残している。
だが現在の路上に、ゲームの主人公のような義理に生きる極道は存在しない。かつての任侠的な美学や縄張り意識は影を潜め、冷徹な利益追求のみが優先されるドライな犯罪市場へと変化した。かつての抗争劇を知る古参の店主は「いま路上で起きているのは抗争ではなく、名もない若者たちによる無節操な食い荒らしだ」と吐き捨てる。