長年市場を支配してきた縦型短尺動画サービスに対し、ユーザーの冷めた視線が注がれるようになって久しい。画一的なトレンド動画の連発や、アルゴリズムによる極端なエコーチェンバー現象に疲れ果てた利用者が求めていたのは、より能動的で予測不能な刺激だった。エクス ロールが提示したのは、受動的に「見る」のではなく、自らの視線や微細なジェスチャーによって物語の分岐や画面の展開がリアルタイムに変化する体験だ。
都内のIT企業に勤める20代のクリエイターは「これまでのSNSは『流されてくるものを消化する』だけだった。しかしここでは、自分の関心がそのまま画面の空気感をリアルタイムで変えていく感覚がある。一度この没入感を味わってしまうと、もう古いアプリには戻れない」と語る。この言葉通り、若年層のアクティブ率低下に悩んでいたプラットフォーム市場において、文字通りの『地殻変動』が起きている。