絶景として称賛される一方で、事前のリサーチ不足によってトラブルに直面する旅行者が後を絶ちません。特に留意すべきはアクセスルートと気候条件です。
第一の盲点は「冬期閉鎖」の厳格さです。愛妻の丘が面する嬬恋パノラマライン(北ルート)は、標高が高く豪雪地帯でもあるため、例年11月下旬から翌年4月中旬頃まで全面通行止めとなります。積雪状況によっては除雪車も入らないため、カーナビの案内通りに進むとバリケードに突き当たって立ち往生するケースが多発しています。冬期に軽井沢や草津温泉を周遊するルートに愛妻の丘を組み込むことは物理的に不可能です。
第二の盲点は「農繁期の大型農業機械との遭遇」です。パノラマラインは美しいドライブルートであると同時に、嬬恋村の農家にとって大動脈となる生活・産業道路でもあります。特に7月から9月の最盛期には、巨大なトラクターやキャベツを満載した大型トラックが頻繁に行き交います。道幅は確保されているものの、見通しの悪いカーブや農耕車の低速走行に対する配慮を欠いた運転は極めて危険です。
さらに、現地には水洗の清潔な公衆トイレが整備されておらず、設置されているのは仮設またはバイオ式の簡易トイレのみです。女性連れや小さな子供を連れたドライブでは、手前の主要幹線道路(国道144号沿いの直売所やコンビニ)であらかじめ休憩を済ませておくのが鉄則と言えます。