1965年末の第16回NHK紅白歌合戦でのステージは、今なおテレビ史に刻まれる伝説の名場面として語り継がれている。NHKの生放送という極限の緊張感のなか、彼女が魅せたパフォーマンスは視聴者の度肝を抜いた。
深々と頭を下げた後、マイクに向かって解き放たれたその声は、テレビのスピーカーを通じて全国の茶の間に突き刺さった。独特の「はるみ節」と呼ばれる唸り、語尾を震わせる強烈なコブシ、そして全身を折り曲げるようにして絞り出すダイナミックな体躯の動き。当時、上品な歌唱が求められる傾向にあった歌番組において、その生々しい魂の熱唱は賛否両論を巻き起こしたものの、一度聴いたら忘れられない圧倒的な存在感を強烈に焼き付けたのだった。