MLBの最先端データ解析システム「Statcast(スタットキャスト)」が弾き出す数値は、大谷翔平のパワーが他のメジャーリーガーと比較しても完全に独立した次元にあることを明確に物語っている。打球速度(Exit Velocity)は常時115マイル(約185km/h)を超え、スタジアムの最上段に飛び込む450フィート(約137メートル)以上の特大弾を連発している。
なぜ彼の打球はこれほどまでに飛ぶのか。第一の理由は、下半身から生み出される爆発的な推進力を無駄なくバットに伝える、極めて洗練されたスイング軌道にある。踏み込んだ軸足が地面を強く捉え、股関節の旋回運動によって生まれる回転エネルギーが、インパクトの瞬間に一点へ凝縮される。
さらに今季は、相手投手の配球パターンに対するアジャスト能力が一段と冴え渡っている。アウトコースのボールゾーンに逃げる変化球に対しても軸がぶれることなく、すくい上げるようなスイングでセンター深くへ運ぶ。飛距離と打球角度の理想的な組み合わせが生み出す「ブラレル(Barrel)率」の高さは、メジャー全打者の中でも圧倒的なトップ数値を誇る。