アメリカのヴィジュアルカルチャーは、消費社会の黎明期から独自の芸術性を開花させてきた。20世紀半ばの情景を温もりあふれるタッチで描き出したノーマン・ロックウェルのイラストレーションは、古き良きアメリカの生活美を今に伝える貴重なアイコンだ。一方で、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルがシルクスクリーンで複製し続けたキャンベル・スープ缶のように、商業デザインそのものがアートへと昇華した歴史もある。
世界的な巨大企業であるザ コカ・コーラ カンパニーのヴィンテージサインやトレイにコレクターが熱狂するのも、そこに当時のグラフィックの力強さが宿っているからに他ならない。さらに、60年代のカスタムカーカルチャーから生まれた「ラット・フィンク」の生みの親、エド・ロスが手掛けたような反骨精神あふれるアンダーグラウンド・アートも、空間にピリッとしたエッジを加えるスパイスとして熱狂的な支持を集め続けている。