ネット上の掲示板で「武蔵野東中学校 退学」という言葉が目につく理由について、編集部が在校生の保護者や卒業生の証言を精査したところ、世間のイメージとは大きく異なる「2つの真実」が浮かび上がってきました。
1. 厳しい規律と集団行動への適応不全
第一の理由は、学園が掲げる徹底した集団主義と規律正しい生活指導へのカルチャーギャップです。武蔵野東中学校では、毎朝のランニング、体操、礼儀作法、挨拶、清掃活動などが徹底して指導されます。これは生活療法を基礎とする教育方針の根幹ですが、現代の自由主義的・個人主義的な家庭環境で育った生徒にとって、この「昭和的とも言える濃厚な連帯感」が窮屈に感じられるケースが少なくありません。
「息子のマイペースな性格には、全員で息を揃えて取り組む集団行事のプレッシャーが重すぎた」(卒業生保護者)といった声に代表されるように、いじめによる排除ではなく、校風とのミスマッチによる自主退学・転校が一定数存在します。これが外部から「何かトラブルがあって退学したのではないか」と曲解され、いじめの噂へと結びついているのが実情です。
2. 高校受験に向けた外部進学(偏差値競争へのシフト)
第二の理由は、学力面・進路選択における戦略的転校です。武蔵野東学園には武蔵野東高等専修学校が併設されていますが、いわゆる普通科高校ではなく、専修学校高等課程としての位置づけになります。そのため、健常児の多くは高校進学時に外部の私立高校や都立・県立の進学校を受験します。
中学入試時の偏差値帯は40台前半と決して高くありませんが、中学3年間の手厚い教科指導によって内申点を伸ばし、上位高や大学附属高校へ合格する生徒も多数輩出しています。その過程で、「中2の段階でよりハイレベルな進学塾に通いやすくするため、地元の公立中に転校する」「より高度な受験対策に特化した環境を求めて再受験する」という選択をする家庭が毎年数名存在します。これもまた、「退学者が多い」という噂の正体です。