唐招提寺の真実!鑑真の悲願と国宝千手観音の圧倒的美を徹底解説

唐招提寺の真実!鑑真の悲願と国宝千手観音の圧倒的美を徹底解説

唐招提寺の真実!鑑真の悲願と国宝千手観音の圧倒的美を徹底解説にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

唐招提寺の歴史を深く知る上で欠かせないのが、初夏を彩る伝統行事「うちわまき」と、年に数日しか公開されない至宝の存在です。

「うちわまき」に込められた蚊も殺さぬ不殺生の教え

毎年5月19日に行われる「中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)」、通称うちわまきは、鎌倉時代に唐招提寺を復興させた大悲菩薩・覚盛(かくじょう)上人の遺徳を偲ぶ法会です。

寺伝によると、覚盛上人が修行中、蚊に刺されているのを見た弟子が蚊を叩こうとしました。すると上人は「自分の血を与えるのも菩薩行の一つである。蚊を殺してはならない」と弟子を厳しく戒め、命あるものへの慈悲を説いたと伝えられています。上人が亡くなった際、「せめて蚊を払えるように」と弟子たちがうちわを供えたことがこの行事の由来です。現在では、ハート型(宝珠型)の赤や白の絵柄が描かれた魔除けのうちわが鼓楼(国宝)から撒かれ、厄除けや招福のご利益を求める人々で賑わいます。

鑑真和上坐像と東山魁夷の障壁画が紡ぐ「御影堂 特別公開」

境内の北西に位置する御影堂には、日本最古の肖像彫刻として名高い国宝「鑑真和上坐像」(脱活乾漆造)が安置されています。763年、鑑真の死を予知した弟子・忍基が制作したとされ、固く結ばれた唇や静かに閉じた目蓋には、苦難に屈しなかった不屈の意志と深い慈愛が刻み込まれています。

この坐像は普段は非公開となっており、鑑真の命日(旧暦6月6日)に合わせた毎年6月5日〜7日の開山忌(かいさんき)前後に特別公開されます。御影堂内には、日本画の巨匠・東山魁夷画伯が12年の歳月をかけて完成させた障壁画『朝雲』『濤声』が広がり、盲目の鑑真に日本の山河と故郷・中国の風景を捧げた芸術の極致を間近で体感することができます。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。