ネットコミュニティやSNS上では、何十年も前から「荒木飛呂彦の顔写真の時系列比較」が恒例のネタとして拡散されてきました。20代のデビュー当時、40代の第5部連載時、そして還暦を超えた現在に至るまで、シワやたるみがほとんど見られないことから、「石仮面を被った吸血鬼」「波紋法を会得した不老不死の漫画家」というファン発信の伝説が定着したのです。
しかし、本人が過去の荒木飛呂彦インタビューや自著『荒木飛呂彦の漫画術』で語った実態は、超常現象とは真逆の「徹底的に科学的かつ規律正しい生活習慣」でした。長寿と若さを生み出している具体的な要素は以下の通りです。
まず挙げられるのが、極端なまでの「朝型生活」と執筆スケジュールの固定化です。多くの漫画家が陥りがちな不規則な夜型生活を荒木氏は20代の時点で早々に破棄しました。朝5時に起床し、朝食を摂った後に作画を開始、夕方には作業を完全に終了して夜10時には就寝するという、まるで公務員やアスリートのようなタイムスケジュールを数十年間一度も崩していません。さらに「平日の週4日で原稿を上げ、土日はしっかり休む」という週休2日制を実践しています。
次に、身体的なメンテナンス法です。毎朝の洗顔は「東京の水道水(冷水)」のみで行い、強い界面活性剤を含む洗顔料を極力使わないこと、昼食は野菜を中心とした軽食に抑え、夕食も糖質をコントロールしていることを明かしています。さらに、ジム通いや50メートル以上の水中ウォーキング・水泳を週数回ルーティン化しており、基礎体温と代謝を高く保つ工夫を怠りません。
精神面における「ストレス遮断」も決定的な要因です。荒木氏はインタビューで「他人の評価や流行に振り回されず、自分が本当に美しいと思うものだけを描く」と語っており、創作現場での過剰な精神疲労を避ける独自のメンタルバウンダリーを確立しています。若々しい細胞の維持は、遺伝的資質に加え、自己規律の賜物であると言えます。