2010年、日本テレビ放送網が制作したテレビドラマ『Mother』。脚本家・坂元裕二が紡ぎ出した重厚なヒューマンドラマの中で、虐待を受けながらも懸命に生きる少女・怜南(継美)を演じた芦田愛菜の姿は、日本のドラマ史を根底から揺さぶった。
当時、彼女が所属していたジョビィキッズプロダクションのオーディション現場では、規定年齢に達していなかったにもかかわらず、その卓越した感情表現と対話の呼吸がスタッフを唸らせたという。台詞を丸暗記して喋る子役の型を完全に打ち破り、役の感情をその場で生々しく呼吸してみせる。台本を抱きしめ、物語の世界に全身で飛び込むその真摯なアプローチは、共演した松雪泰子をはじめとするベテラン俳優陣をも戦慄させた。