J-POPシーンの頂点に君臨する米津玄師のようなアーティストの動向も、番組作りに大きな影響を与えている。かつて徳島の大塚国際美術館からの生中継で日本中を熱狂させた彼のように、「特別な必然性」がなければ東京・渋谷のNHKホールには立たないというスタンスは、いまや多くの実力派ミュージシャンにとってひとつの指針となった。
ホールでの画一的な演出に組み込まれるのではなく、自身のクリエイティブを100%発揮できる場所でなければ歌わない。この徹底した美学こそが、安易なオファー受け入れを阻む高い壁となっている。テレビ側の都合に合わせた短縮バージョンでの歌唱を拒み、作品のクオリティを最優先する姿勢が、結果として辞退という選択肢を選ばせている。