『ちはやふる』シリーズの代名詞とも言えるのが、CGやスタントに頼らない本物の競技かるたシーンです。新キャストとして参加した佐野勇斗もまた、撮影開始前の数ヶ月間に及ぶ過酷な「かるた合宿・特訓」へと身を投じることとなりました。
指導を担当したのは、一般社団法人全日本かるた協会のA級選手たち。畳の上で膝をすり減らし、突き指や手の甲の擦過傷、水ぶくれに耐えながら、一日数時間に及ぶ払い手や構えの反復練習が連日行われました。佐野勇斗は特に、筑波秋博特有の「下二列に特化した低く鋭い構え」を身体に染み込ませるため、筋肉痛に苛まれながらも自主練習を重ね、撮影本番では指導員を唸らせるほどのスピードとフォームを習得しました。
現場では、座長である広瀬すずが新メンバーを温かく迎え入れ、控室や食事の場でも常に本当の部活のような空気感を作り上げていました。佐野勇斗自身も、特番インタビューなどで次のように振り返っています。
「すでに出来上がっているチームに入るプレッシャーは計り知れなかったが、すずちゃんをはじめ先輩方が初日から『秋博!』と役名で呼んで輪に入れてくれた。瑞沢高校かるた部の一員として過ごした日々の熱量は、今でも演技の原点になっている」
現場でのこうした深い信頼関係があったからこそ、新旧キャストが織りなす熱い群像劇がフィルムに刻まれることとなったのです。