路上に佇む女性たちの手元では、常に画面の光が明滅している。現場での接触とデジタルツールの融合が、摘発逃れの防壁として機能しているためだ。
従来のような露骨な声掛けは激減した。現在主流となっているのは、X(旧Twitter)上に匿名アカウントを開設し、服装や待機場所を抽象的な絵文字や符牒で投稿する手法だ。「#梅田」「#立ちんぼ」といったハッシュタグを介して現在地をリアルタイムで発信し、関心を持った相手を誘導する。直接的な交渉は、秘匿性の高い通信アプリであるTelegramへ即座に移行される。
暗号化されたチャット内で金額、時間、行為の細部、指定のホテルがあらかじめ合意され、路上では「視線を合わせるだけ」「目印を確認して合流するだけ」という接触形態が取られる。警察官の職務質問に対して「待ち合わせをしていただけ」と言い逃れできるよう、証拠のデジタル痕跡を自動消去する設定も徹底されている。このハイブリッドな手口が、捜査の手を著しく困難にしているのが現実だ。